<鈴の縁>



有限会社 富樫銘木

 和箪笥製造に携わってきた富樫葉士社長。
 富樫社長が約10年前に挑戦したのが、伝統工芸品「酒田船箪笥」
「船箪笥には酒田の職人の優れた技が息づいている。なくすことはできない。途絶えたら、再び作るのは難しい」
 
 制作工程は、多くの手間と時間を要する。
 天板、側板、地板には10年以上自然乾燥させたケヤキ材を厳選。引き出しにはキリ材も使い、1カ月掛けて箱を作る。
 それを地元の塗り師に出し、漆を10回以上重ね塗りするのに1カ月半。次に山形市内の金具職人の元に運び、厚さ3ミリもある鉄金具と錠前を作ってもらうのに、さらに3カ月。
 その後、富樫さんが金具と錠前を取り付ける。完成まで半年は必要になる。特製の鉄くぎは合計1200本も使うという。


酒田船箪笥

 江戸時代、庄内米を満載して日本海をわたり、上方の品々を積んで酒田に戻った北前船には、貴重品を納めるために、伝統工芸品の酒田船箪笥が積み込まれていました。
漆塗りの小型の箪笥には鉄製の飾り錠前が施され、見た目にはコンパクトでいかにも重そうな船箪笥ですが、これには水に浮いて中身を守るという伝説があったのだそうです。

 職人の技術と精神が生み出す酒田船箪笥。
 丈夫さと高い気密性から「船が沈没しても沈まず、大事な書類や金銭などを守る」という伝説。
 富樫社長や地元の会の協力により、山居倉庫前の新井田川に投げ入れ公開実験を行いました。
 見事浮いて伝説を証明したのです。
「船箪笥には小判代わりの重りも入れた。浮いた時は感無量だった」

「全国から注文があるが、今は1、2年待ってもらわなければならない。手抜きはできないから」


洋座兼用座卓

実用新案を出願した電磁調理器付テーブル「洋座兼用座卓」(実用新案を出願済み)
新たに電磁調理器(IHクッキングヒーター)を付けたテーブル。
中央のヒーター部のカバーを脇に付けて補助テーブルに利用でき、脚を外せば座卓になる。
さまざまな工夫が凝らされております。



<伝統家具にIH機能を付けた創作テーブル>
 商品の素材は山形県産のケヤキ。
 標準サイズは横1メートル、縦80センチ、高さ65センチ(座卓なら33センチ)、重さ約30キロ。
 中央部に四方形のヒーター(100ボルト、1300ワット)が埋め込み。
 価格は約35万円。

 頻繁に台所に立たなくともテーブルの電磁調理器でお湯を沸かしてお茶を入れたり、鍋料理を楽しんだりできる。脚を変えることで座卓にもなるため、畳の和室では座卓に、フローリングの洋室ではテーブルとして使える。外した脚を天板の下部に収納でき、邪魔にならない。

 ヒーター部にはふたを付き、使用するときに外して使用。
 外したふたを脇の差し込み口に入れ、補助テーブルとして使える。
 商品の組み立てには、一切くぎを使用しておりません。

詳しくは富樫銘木まで。本社・工場:TEL 0235-64-2494/FAX 0235-64-2547